オフィスで欠かせない複合機のスキャン機能や共有フォルダですが、突然「スキャンできない」「フォルダにアクセスできない」といった問題に直面することがあります。こうしたトラブルの多くは、設定の見直しで解決できます。本記事では、スムーズに業務を進めるためのトラブルシューティング方法を詳しく解説します。
目次
1. 複合機からパソコンにスキャンできない時のチェックポイント
スキャンがうまくいかない場合、以下の点を確認してみましょう。
1.1. まず試すべき基本対策
- パソコンと複合機の再起動
- 長時間稼働していると、一時的なエラーが発生しやすくなります。
- ネットワークの確認
- パソコンと複合機が同じネットワークに接続されているかチェック。
- 共有フォルダの設定
- スキャンデータを保存するフォルダが正しく共有されているか確認。
1.2. 設定が正しいのにスキャンできない場合の対策
- 「ネットワークプロファイル」の設定変更
- Windowsのネットワーク設定が「パブリック」になっていると、スキャンデータの送信がブロックされることがあります。
- 「プライベートネットワーク」に変更すると解決することが多いです。
- 画面右下の「ネットワーク」アイコンをクリック →「ネットワークとインターネットの設定」を開く
- 現在接続中のネットワークをクリック
- 「ネットワークプロファイル」の「プライベート」を選択
- 「パスワード保護共有」の確認
- 共有フォルダのアクセス権に制限がかかっている場合、「パスワード保護共有」を無効にするとスムーズにデータを受信できるようになります。
- 「スタート」→「設定」→「ネットワークとインターネット」→「共有の詳細設定」を開く
- 「すべてのネットワーク」の項目を展開
- 「パスワード保護共有を無効にする」にチェックを入れる
- 「変更の保存」をクリック
- 「SMB1.0」の有効化
- 古い複合機ではSMB1.0という通信方式が使われています。
- Windowsの設定から「SMB1.0/CIFSファイル共有サポート」を有効にすると、スキャンデータを正常に受信できる可能性があります。
- 「スタート」メニューで「Windowsの機能の有効化または無効化」を検索し、開く
- 「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」にチェックを入れる
- 「OK」をクリックし、パソコンを再起動する
2. 共有フォルダにアクセスできない場合の原因と解決策
共有フォルダが開けない場合、ネットワークの設定やセキュリティの影響を受けている可能性があります。
2.1. 「アクセス権がない」と表示される場合
- フォルダの共有設定を見直す
- 共有フォルダのプロパティを開き、「Everyone」または特定のユーザーにアクセス権を付与する。
- 「ネットワーク探索」と「ファイル共有」を有効化
- Windowsの設定で、これらの項目が無効になっていると他のPCからアクセスできません。
- 設定を変更し、フォルダ共有が許可されていることを確認。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「共有の詳細設定」を開く
- 「ネットワーク探索を有効にする」と「ファイルとプリンターの共有を有効にする」にチェックを入れる
- 「変更の保存」をクリック
2.2. Windowsのアップデート後にアクセスできなくなった場合
最近のWindowsアップデートでは、セキュリティの強化により共有フォルダのアクセス方法が変更されることがあります。
- 「安全でないゲストログオン」を有効にする
- 企業のポリシーによって、非認証のユーザー(ゲスト)によるアクセスがブロックされる場合があります。
- Windowsの設定を変更して、「安全でないゲストログオン」を許可すると解決することがあります。
- 「設定」→「アカウント」→「サインインオプション」を開く
- 「追加の設定」で「パスワードなしのサインイン」を「無効」にする
- サーバー側(NASや共有フォルダを提供しているPC)で、アクセス許可を再設定する
- 「Windows資格情報」を追加
- 共有フォルダがパスワード保護されている場合、Windows資格情報を追加することでアクセスしやすくなります。
- [Windows]キー + [R]キーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「control」と入力し、[OK]をクリック
- コントロールパネルが開く。
- 「ユーザーアカウント」→「Windows資格情報の管理」をクリック
- 「Windows資格情報の追加」をクリック
- 共有フォルダにアクセスするための情報を入力
- インターネットまたはネットワークのアドレス:共有フォルダのあるPCやNASのIPアドレス
- ユーザー名:共有フォルダにアクセスするためのアカウント名
- パスワード:対応するパスワード
組織のセキュリティ ポリシーによって非認証のゲスト アクセスがブロックされているため、この共有フォルダーにアクセスできません。これらのポリシーは、ネットワーク上の安全でないデバイスや悪意のあるデバイスから PC を保護するのに役立ちます。
上記のようなエラーが表示された場合は下記が有効です。
- 「アカウントなしの場合」のアクセスを可能にする
- アカウントなしの共有フォルダへのアクセスがアップデートに不能になりましたので、セキュリティレベルを下げることでアクセス可能になります。
- 「スタート」→「ファイル名を指定して実行」に「gpedit.msc」と入力し、Enter
- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「ネットワーク」→「Lanmanワークステーション」を開く
- 「安全でないゲストログオンを有効にする」をダブルクリック
- 「有効」にチェックを入れ、「適用」→「OK」
- PCを再起動
3. Windows11の最新アップデート後に共有フォルダが開けない場合
Windows11の大型アップデート後、一部の環境で共有フォルダにアクセスできなくなる問題が報告されています。これを解決するには、以下の方法を試してみましょう。
3.1. 解決策
- ユーザーアカウントを使った認証に変更する
- これまでゲストアクセスを利用していた場合、パソコンのユーザーアカウントを使って認証する方式に切り替える。
- セキュリティ設定をアップデート前の状態に戻す
- Windowsのグループポリシーエディター(gpedit.msc)を開き、設定を変更することで従来のアクセス方法を利用可能にする。
- サーバーやNASの設定を見直す
- 共有フォルダのアクセス権を変更することで、従来の環境と同じように使用できるようになります。
4. 複合機・共有フォルダのトラブルを未然に防ぐ方法
トラブルを未然に防ぐために、以下の対策を日頃から行っておきましょう。
4.1. 定期的なメンテナンス
- パソコン・複合機の再起動
- 長時間稼働し続けると、接続エラーが発生しやすくなるため、定期的に再起動を行いましょう。
- ネットワーク環境のチェック
- ルーターやスイッチの状態を確認し、異常がないかチェック。
- Windowsの設定を確認する
- アップデートのたびに、ネットワークやセキュリティの設定が変更されていないか確認しましょう。
4.2. バックアップとリスク管理
- 共有フォルダのバックアップを取る
- 共有フォルダが突然アクセス不能になることもあるため、重要なデータは定期的にバックアップしておくと安心。
- 最新のセキュリティ対策を行う
- SMB1.0を有効にする際は、ウイルス対策ソフトやファイアウォールの設定を適切に管理し、リスクを最小限に抑える。
まとめ
複合機のスキャンや共有フォルダのアクセスに関するトラブルは、ネットワーク設定やWindowsのアップデートが原因で発生することが多いです。本記事で紹介した対策を参考に、適切な設定を行い、スムーズな業務環境を維持しましょう。
✅ スキャンできない時はネットワーク設定やSMBの有効化をチェック!
✅ 共有フォルダにアクセスできない時はアクセス権とWindowsの設定を見直す!
✅ 定期的なメンテナンスでトラブルを未然に防ぐ!